作成者別アーカイブ:

『にいがた地域映像アーカイブ』ほか

新潟大学人文学部界隈で、前年度末に歴史あるいは地域研究に関して以下のような雑誌が刊行されましたので、ご紹介します。

『にいがた地域映像アーカイブ』No.6 新潟大学人文学部・地域映像アーカイブセンター発行 2016年3月
 石井正巳「『北越雪譜』から民俗写真へ」
 原田健一「湊町・新潟の原風景―芸妓から見た「にいがた」」
 舩城俊太郎「勝之助兄にゃと写真」
 伊藤 守「アーカイブを活用した映像研究と教育の可能性」
 原田健一「新潟大学地域映像アーカイブデータベースと新潟県立図書館の新聞データベースの統合へ向けて」

『佐渡・越後文化交流史研究』第16号 新潟大学大学院現代社会文化研究科・新潟大学人文学部麸プロジェクト佐渡・越後の文化交流史研究発行 2016年3月
 論文 
  芳井研一「戦後体制形成期の地域自治と財政危機―新潟県六日町の事例を通して―」
  荻美津夫「佐渡の神楽、能、そして舞楽」
 報告
  堀健彦・新潟大学人文学部地理学研究室「1964年新潟地震による佐渡両津における津波被害範囲について」
 資料紹介
  池田哲夫「本間雅彦『聴取り その他1955〜1965』より「芸能・職人関係」」

『資料学研究』第13号 新潟大学現代社会文化研究科プロジェクト「大域的文化システムの再構成に関する資料学的研究」発行 2016年3月
 論文
  原 直史「文政期新潟・沼垂掛積争論からみる地域海運秩序」
  矢田俊文・村岸 純「1703年元禄関東地震における九十九里地域の被害―死亡者数と津波到達点―」
  高橋秀樹「危機にある英雄たちの諸発言〜『イーリアス』第XI書にみる強制(強請)行為〜」
 資料紹介
  橋本博文「韓国併合を象徴すると推定される古布について」

『人文科学研究』第138輯 新潟大学人文学部発行 2016年3月
(以下は歴史・地域研究関係論文のみ紹介)
 松井克浩「柏崎市の広域避難者支援と「あまやどり」の5年間」
 齋藤瑞穂「東北「遠賀川系土器」再論」
 細田あや子「古代メソポタミアの神像の口洗い儀礼」
 北村順生「地域映像アーカイブの教育活用に関する事例研究―南魚沼市実践の報告から―」
 橋本博文「考古学からみた佐渡の交流」

『資料学研究』には拙稿も収載されています。よろしくご批判ください。

『災害・復興と資料』第7・8号の刊行

前年度の事業となりますが、『災害・復興と資料』の第7号・第8号が刊行されました。

災害・復興と資料』第7号 新潟大学災害・復興科学研究所被災者支援研究グループ発行 2016.3.18
内容
 高橋 満「瓦礫を資料に変換する―ふくしま震災遺産保全プロジェクトの活動―」
 日下和寿「白石市における文化財レスキューとその後」
 福嶋紀子「歴史の中の神城断層地震」
 川副早央里「震災アーカイブの社会的意義に関する考察―東日本大震災アーカイブ写真展の事例から―」
 水本有香「神戸大学関連震災資料の現状―20年を越えて―」
 筑波匡介「新潟県中越地震らおける震災遺構―中越メモリアル回廊 山古志木籠について―」
 田中洋史「長岡市災害復興文庫の構築と発信―新潟県中越大震災・東日本大震災の経験を越えて―」
 中村 元「戦災の記憶の継承と歴史資料―長岡空襲の事例に即して―」
 矢田俊文「一八五八年飛越地震の史料と家屋倒壊率―飛騨国を事例として―」

『災害・復興と資料』第8号 新潟大学災害・復興科学研究所被災者支援研究グループ発行 2016.3.18
内容
論文
 原 直史「文政11年越後三条地震からみる広域災害情報の集積」
 矢田俊文「中世阿波撫養地域と1596年地震」
 小野映介・日塔梨奈・片桐昭彦・矢田俊文「絵図に描かれた1858年飛越地震による山崩れと天然ダム」
 松岡祐也「文禄五年豊後地震による今津留村の被害と船着移転―中川家船奉行・柴山氏と今津留村について―」
 山岸洋一「糸魚川市内遺跡における地震痕跡と自然災害」
 齋藤瑞穂・齋藤友里恵・矢田俊文・坂上和弘・米田恭子・パレオ・ラボAMS年代測定グループ「新潟県見附市田井町福順寺試掘調査報告―文政11年(1828)三条地震実態復原のための考古学・歴史学的研究―」
 原田和彦「善光寺地震における幕府への被害報告 上田藩を中心に」
 村岸純・西山昭仁・石辺岳男・原田智也・佐竹健治「一八五五年安政江戸人における江戸近郊の被害」
研究ノート
 浅倉有子「駿州岩本村の宝永地震被害と復興」 

なお第8号には拙稿も収載されております。ご批判ください。

追悼・滝沢繁さん

さる4月3日、南魚沼市の滝沢繁さんが亡くなりました。滝沢さんはもと高校の日本史教員で、現役教員の頃から県内各地の地域史研究にたずさわり、とくに退職後の近年は、地元魚沼の歴史研究を精力的につづけて来られました。

私がはじめて滝沢さんと出会ったのは、東京大学本郷キャンパスまえの「祇園」という飲み屋でした。たしか滝沢さんはその頃、内地留学で東大史料編纂所に来られており、同じく東大に出入りしていた竹田和夫さんを介してご挨拶したのではなかったかと記憶しています。当時私はまだ学部生か、修士に入りたての頃だったでしょうか。その後私が新潟にやって来て、数々の場でご一緒することになるとは、夢にも思っていなかった頃でした。

新潟大学人文学部は南魚沼市と連携協定を結んでおり、地域映像アーカイブなどの事業を通じて、地元の研究者である滝沢さんには、学部全体がお世話になったとも言えます。

とてもお元気だった滝沢さんですが、昨年脳腫瘍(だったと思います)を患って手術をされ、その後放射線治療等を続けておられました。昨年9月にはご自宅にうかがってお会いしているのですが、少しおつらそうではあったものの、着実に回復していると思っていましたので、訃報をきいた時は大変にびっくりしました。

4月5日に六日町でおこなわれたお通夜に参列してきましたが、その場でお会いした見知った方々はみな一様に呆然とした風でした。だれもがこんなに早く亡くなるとは考えていなかったのです。享年73とのことでした。

実は昨年9月の訪問は、塩沢のとある文化財について、滝沢さんからご相談をいだたいたことによるものでした。治療中で出歩けないということで、ご自宅にうかがったのでした。そして今にして思うと、万が一の時のことを考え、まわりの人間に様々なことを託しておきたい、というお気持ちもあったのかもしれません。

滝沢先生、ゆっくりとお休みください。先生が思い残したことのせめて一部でも引き継いでいけるよう、気を引き締めたいと思います。

新潟史学会第65回研究大会・総会の案内

新潟史学会第65回研究大会・総会が下記の通り開催されますのでご案内いたします。

【日 時】 2015年11月8日(日) 13:00~
【会 場】 新潟大学五十嵐キャンパス・総合教育研究棟1階大会議室(新潟市西区五十嵐2の町8050)
【参加費】 1総会資料代 会員300円,非会員500円
         2懇親会 3,000円程度(但し,飲酒されない会員・学生会員は1,000円)
【日 程】
  12:30      受付開始
  13:00~13:05   開会の挨拶

  13:05~13:35   研究報告1
      佐藤 萌理氏(新潟大学大学院生)
      「地域芸能における担い手の実践―三条神楽を事例に」
  13:35~14:05   研究報告2
      山田 祐紀氏(新潟大学大学院生)
      「割地慣行の持続性とその意義―近代的土地所有との接合をめぐって―」
  14:05~14:35   研究報告3
      中村 元氏(新潟大学人文学部准教授)
      「戦後新潟県における戦争の記憶と記録」
  14:35~15:05   研究報告4
      原 直氏(新潟大学人文学部教授)
      「早稲田大学図書館所蔵近世新潟関係料と文政期新潟町・沼垂町掛積争論」

  15:05~15:20  休  憩
  15:20~15:50  総  会
    2015年度事業報告・決算報告・監査報告,役員の改選,2016年度事業案・予算案,その他
  15:50~16:00  休  憩
  16:00~17:30  記念講演
      池田 哲夫氏 (新潟大学人文学部教授)
      「朱鷺の民俗誌―朱鷺・人・自然―」
  17:30~17:40  閉会の挨拶・事務連絡
  18:00     懇親会

事務局から
・大会当日,新年度の会費(一般会員3,000円,学生会員2,000円)の納入をお願い致します。
・今年度以前の会費についても,未納の方は納入くださいますよう,お願い申しあげます。

問い合わせ先:
新潟学会事務局 中村 元・齋藤瑞穂
   TEL & FAX  025(262)6289・6830
Mail: nakamura.moto■human.niigata-u.ac.jp
Mail:msaito■human.niigta-u.ac.jp(迷惑メール防止のため@を■にかえていますので、@に戻して入力してください)

越佐近世史論文紹介6

諸々の事情で、本サイト自体の更新が長らく停止しておりました。自身の覚書とするためにも、今後少しずつ復活させたいと考えています。よろしくお願いします。

今回はまず下記論文を取りあげます。本論文の存在については、矢田俊文氏よりご教示いただきました。ありがとうございました。

  • 青山忠正/淺井良亮「新発田藩京都留守居寺田家と旧蔵文書」『歴史学部論集(佛教大学)』4、2014年3月

本論文は佛教大学図書館が所蔵する寺田家文書の概要を紹介し、その研究上の価値を考察したものです。寺田家は京都の呉服商(桔梗屋)ですが、宝暦年間頃から越後新発田藩の呉服御用等を勤めることで関係を深め、文化10年には寺田喜右衛門政求が新発田藩の「京都用聞」として召し抱えられることになりました。二代のちの寺田喜三郎政得は文久3年に新発田藩の「京都留守居役」となり明治維新を迎えます。寺田家文書は、こうした寺田家の家業と職務にかかわる文書群で、この新発田藩の用向きを勤めた文化年間から明治初年の時期の史料を中心として、全体でおよそ3000点であるとのことです。

本史料群は、論文でも言及されているとおり、大名の京都留守居をめぐる研究史が非常に乏しい中、その基本的なありかたを明らかにすることができる貴重な史料群として、おおいに活用が期待されるものだといえるでしょう。また、周知のようにこの時期の京都は数々の重要な政治的事件の現場であったのですが、論文によれば、例えば寺田の京都留守居としての公的な留帳の記載は、それらを網羅しているというより、時期によって精粗があるようです。こうした記録の残され方自体の問題も、興味深い検討課題でしょう。

なお論文では、戊辰戦争時の新発田藩が一貫して奥羽越列藩同盟側に立っていたと読めるような記述がありますが、これは私たちが理解している経緯とは異なるように思います。

 

『近世の村落と地域史料保存』の刊行

以前もお知らせしていた山本幸俊さんの遺稿集が刊行されました。刊行会の呼びかけに応えてくださった皆様には、心から感謝申し上げます。是非多くの方に手にとっていただきたいと思います。

山本幸俊『近世の村落と地域史料保存』2014.4.15 高志書院 10000円+税____ 2014-04-25 19_20

目次
  第1部 近世の地域と村
貞享・元禄期の家族形態の変化と水呑の形成―筑波郡山口・小田西町を中心に―
近世初期の村落と「土豪」―常陸国新治郡金田村を中心に―
近世初期の論所と裁許―会津藩を中心に―
越後山間地帯における村落間争論―近世前期の変容―
中世末・近世初期の越後の村
上杉領国における「村」の形成―頸城郡京田村を中心に―
  第2部 地域史料の保存と研究
地域史料の保存と文書館―新潟県立文書館、史料所在調査の試み―
歴史研究者、一歩前へ
地方史研究と史料保存―越佐歴史資料調査会の活動―
平成の市町村合併と公文書等の保存―新潟県の事例を中心に―
学校統廃合と学校アーカイブズの保存― 新潟県の事例を中心に―
市民のなかの地域史研究

あとがき
山本幸俊著作目録

『環東アジア地域の歴史と「情報」』の刊行

私も参加している研究プロジェクトにおいて、下記論文集を刊行いたしました。ご一読いただければ幸いです。

關尾史郎編『環東アジア地域の歴史と「情報」』2014.3.31 知泉書館 6500円+税____ 2014-04-25 19_21

目次

第Ⅰ部 「家」の履歴
 關尾史郎「本貫の記憶と記録-敦煌張氏の場合」
 蓮田隆志「「華麗なる一族」のつくりかた―近世ベトナムにおける族的結合形成の一形態」

第Ⅱ部 情報―生成と伝播
 高橋秀樹「酒泉丁家閘5号墓天馬図の運足表現」
 荻美津夫「奈良時代における「先人の遺風」としての「風流」とその展開」

第Ⅲ部 情報―制度と現実
 佐藤貴保「西夏王国における交通制度の復原―公的旅行者の通行証・身分証の種類とその機能の分析を中心に」
 山内民博「屠牛と禁令―19世紀朝鮮における官令をめぐって」

第Ⅳ部 情報―収集と利用
 原直史「支配錯綜地域における地域的入用―新発田藩の万雑とその周辺」
 麓慎一「清国における海産物市場の形成と市場情報―明治20年の清国調査を中心に」
 広川佐保「近代ハルハ・モンゴルにおける土地制度の系譜とその展開」
 芳井研一「南進論と日独伊三国同盟―情報の調査と立案をめぐる再検討」

受贈図書2014.1~3

2014年1月より3月にかけて、著者・編者の方々より下記図書をご恵贈いただきました。大変にありがとうございました。

奥村弘編『歴史文化を大災害から守る ―地域歴史資料学の構築』2014.1.25 東京大学出版会
(共著者のお一人である矢田俊文さんから)

広末雅士編『越境者の世界史 ―奴隷・移住者・混血者』2013.12.27 春風社
(共著者のお一人である高橋秀樹さんから)

栗原隆編『感性学 触れ合う心・感じる身体』2014.3.31 東北大学出版会
(編者の栗原隆さんから)

ジョバンニ・フィリッポ・デ・マリニ『〈復刊〉トンキン王国の新奇な話』〈環東アジア研究叢書4〉2014.2.28 新潟大学人文社会・教育科学系附置環東アジア研究センター
(編集・解説執筆者の蓮田隆志さんから)

城戸淳『理性の深淵 カント超越論的弁証論の研究』(新潟大学人文学部研究叢書10)2014.3.20 知泉書館
(著者の城戸淳さんから)

また、人文学部周辺で発行された下記雑誌も受贈。このうちWORDSNOWは、表現プロジェクト演習という授業に参加した学生たちが作成した文芸同人誌です。

『WORDSNOW』第5号

『比較宗教思想研究 死生観・例根幹から見た比較研究』第14輯

『佐渡・越後文化交流史研究』ほか

私のおります新潟大学人文学部界隈で、歴史学に関し以下のような雑誌が刊行されましたので紹介いたします。

『佐渡・越後文化交流史研究』第14号 新潟大学現代社会文化研究科・新潟大学人文学部プロジェクト「佐渡・越後の文化交流史研究」発行 2014.3
 池田哲夫「資料紹介『漁村採集手帳』」
 鈴木孝庸「『久知軍記』翻刻」

『資料学研究』第11号 現代社会文化研究科プロジェクト「大域的文化システムの再構成に関する資料学的研究」発行 2014.3.15
論文
 關尾史郎「トゥルファン出土墓誌の本貫記載をめぐって―「本貫の記憶と記録」拾遺―」
 矢田俊文「1703年元禄地震における相模国足柄郡・駿河国東郡御厨・伊豆国東岸地域の被害数」
 高橋秀樹「ヘクトルとアイアスの一騎打ちをめぐって~『イリアス』第Ⅶ書に見る強制(強請)行為~」
研究ノート
 蓮田隆志「ミエン集落磨崖碑と成立期のベトナム後期黎朝」

『人文科学研究』第134輯 新潟大学人文学部発行 2014.3.31
(以下は歴史関係論文のみ摘記)
 橋本博文・小林隆幸・奥田尚「新潟県内初発見の円筒埴輪―新潟市東区牡丹山諏訪神社採集の埴輪片をめぐって―」

『環日本海研究年報』第21号 新潟大学現代社会文化研究科環日本海研究室発行 2014.3
論文
 芳井研一「大陸打通作戰の意義」
 麓慎一「報効艦隊の創設について―北千島から日本海へ―」
 高慶元「日本の産業集積に関する一考察―関西の産業集積を中心に―」
研究ノート
 關尾史郎「集安所在、高句麗壁画墓の基礎的整理―『洞溝古墳群 1997年調査測絵報告』に関するメモ-」
 内田宏美「中国漢代紀年銘漆器出土一覧」
 李香丹「韓国の環境法制度の歴史的展開と問題点―環境政策基本法を中心に―」
 横田数弘「船員輩出地としての新潟県―戦後各年の国勢調査報告による特徴点の把握―」