越佐歴史調査会冬の調査への参加

2月16日・17日に開催された、越佐歴史資料調査会の調査合宿に参加してきました。私個人としては久々の現場での調査です。布施家は高田藩の大肝煎をつとめており、今回私はその組入用算用に関わる文書群を扱いましたが、高田や今町への出張の様子、どのような武士・町人と関わって組行政が成り立っていくかなど、興味深い論点にあふれています。

そろそろ久しぶりに院生・学生を誘って参加しようと考えています。

矢田俊文教授最終講義 懇親会のお知らせ

 3月21日の矢田俊文教授最終講義後、下記の要領で懇親会を開催いたします。

 日時:2019年3月21日(木・祝)18:00~
 会場:新潟大学五十嵐キャンパス生協第二学生食堂
 会費:5000円程度を予定

 ご参加を頂ける方は、3月15日(金)までに下記のアドレスまでご連絡を頂ければ幸いです。

 prof.yata.kougi@gmail.com

清末の中国と近世の日本

2月12日、学系内プロジェクト「近世・近代環東アジア地域における都市ネットワークに関する社会動体史研究」の一環として、京都から小野達哉さんをお招きして研究会が開催されました。

小野さんのお話のテーマは「清末重慶の義渡をめぐる社会的構図」。舟運をめぐる集団間の紛争で、差務(日本近世史的に言えば役負担)が決定的な意味を持つ。言葉を入れ替えれば日本近世とまるで同じ構造。もちろん差異も多々。近年こんなに面白く聞けた報告も少なく刺激に満ちた会でした。

懇親会でも日本、大陸中国、台湾、朝鮮、モンゴルのあんなことこんなことが飛び交い、時間を忘れました。本当に身のある環東アジア研究とは、こうした交流からこそ生まれるのだと確信しました。

 

小野さんは恩師から、档案(一次資料)に走ると堕落すると言われたと自嘲しておられました。伝統的に用いられてきた史伝実録地方志類を読まなくなり研究の断絶が生じるということかと思うのですが、一次資料から立ち上げる歴史こそが、民族国境を越えて比較するに足る意義を持つのだと思います。ともに頑張りましょうと言いながら別れましたw

矢田俊文教授最終講義(続報)

過日お知らせした矢田俊文新潟大学教授最終講義の詳細が下記のとおり確定しました。敢えて地震の話でないところがミソですが、地震の話もきっと入ると思います。事前登録等不要ですので、ぜひお運びください。

 3月21日(木・祝)15:00~16:30

 新潟大学五十嵐キャンパス総合教育研究棟E260講義室
 リンク先地図のS10の建物です

 演題「日本中世戦国期研究と史料」

当日終了後の懇親会についてはさらにまた別途お知らせします

矢田俊文教授最終講義

新潟大学で日本中世史そして歴史地震の教育研究に力を注いで来られた矢田俊文教授の最終講義は、3/21(木・祝)に開催されます。リンク先では都合により時間未定となっていますが、午後からとなる予定です。詳細が決まればまたお知らせします。

https://www.niigata-u.ac.jp/news/2019/51587/

国際シンポジウム「港湾都市新潟と海をめぐる諸問題」

本当に直前のお知らせとなり恐縮ですが、下記の国際シンポジウムが開催されます。私も登壇いたします。よろしくお願いいたします。

国際シンポジウム 港湾都市新潟と海をめぐる諸問題

日時:2019年1月8日(火曜日)15:30~18:00
場所:新潟大学五十嵐キャンパス人文社会科学系棟F棟大会議室
プログラム
1.港湾都市新潟から考える(15:30~16:10)
原直史(新潟大学・日本近世史)河口部港町群の消長と新潟港―16~21世紀―
中村元(新潟大学・日本近現代史)近代日本の都市下層労働者研究の現状と課題
2.海港都市文化交渉学/海の人文学(16:20~17:20)
権京仙(韓国海洋大学校・歴史社会学)国際海洋問題研究所と海の人文学
金潤煥(韓国海洋大学校・歴史学)近代東アジア海港都市における地域社会の形 成と拡散
阪野祐介(韓国海洋大学校・人文地理学)都市図を用いた近代東アジア海港都市 に関する研究
3.総合討論(17:30~18:00)

主催:新潟大学人文学部
共催:『社会適応力醸成のための人材育成プロジェクト+』 新潟大学人文社会科学系研究プロジェクト「近世・近代環東アジア地域における都市 ネットワークに関する社会動態史研究」
問い合わせ先:新潟大学人文学部 堀 健彦(hori@human.niigata-u.ac.jp)

受贈抜刷類2018.11.15

この秋いただいた論文抜刷類を下記にご紹介します。

清水香「擦文・アイヌ文化期の出土木製品における移入品について」『北海道考古学』第51輯、2015.3
清水香「大聖寺藩上屋敷跡 廃棄土坑SK3から出土した17世紀の木製品」『東京大学埋蔵文化財調査室発掘調査報告書13 東京大学本郷構内の遺跡 医学部附属病院入院棟A地点 研究編』、2016.12
清水香「江戸遺跡から出土した緑色系漆椀の基礎研究」『東京大学構内遺跡調査研究年報10 紀要編 東京大学埋蔵文化財調査室研究紀要10』、2017.8
清水香「漆椀の総合的研究の実践―地域研究としての挑戦―」『江戸遺跡研究』第5号、2018.3

清水香さんはこの8月に新潟大学人文学部に助教として赴任されました。専門は近世考古学、とりわけアイヌにもたらされたものを含む塗物類をターゲットにしており、文献による近世流通史の立場からも大変に勉強になります。今後とも勉強させていただきたいと思っています。

朴澤直秀「新地建立禁令をめぐって」『佛教史學研究』第60巻第1号、2017.11

10月に行われた「近世史の会」の席上朴澤氏よりいただきました。新寺・新地建立の禁止といわれている幕府政策の現実の展開を論じたものです。

小関悠一郞「【講演録】佐倉藩政改革とその思想―佐倉藩士向藤左衛門と上杉鷹山の改革―」『佐倉市史研究』第28号、2015.3
小関悠一郞「江戸時代の政治と武士の学び」『歴史評論』813号、2018.1
小関悠一郞「地域史料保存利用と資料ネット―千葉歴史・自然資料ネットワークの活動を通して―」『日本歴史学協会年報』第33号、2018

おなじ「近世史の会」の席上小関氏よりいただきました。なおこの日の会の報告は、『日本歴史』最新号(846号)の「江戸時代の「富国強兵」論と「民利」の思想」の内容に関わるものでした。気鋭の政治思想史研究者としての氏の視線が、資料ネットなどで地域の歴史と向き合う眼差しとも無縁ではないことがうかがえるのではないでしょうか。

みなさま、ありがとうございました。

田嶋悠佑「織豊大名領国と大身家臣―越後堀領国を事例として―」その他

11月4日に開催された新潟史学会の会場において、『地方史研究』393号(2018年6月)に掲載された標記論文抜刷を、著者の田嶋氏よりご恵与いただきました。ありがとうございます。

同論文は、戦国大名由来の大名権力が近世初期にかけて独立性の高い家臣の存在に苦しめられたのに比して、より堅固であったと思われていた織豊取立大名の権力構造について、決してそれは自明でないことを越後堀氏を事例として明らかにしたものです。

堀氏は急速な「出世」のため多様な家臣団を抱えることとなり、その家臣団の統合は不完全・不安定であり、大身家臣に秀吉政権が直接知行を安堵するなど、直轄地以外の支配に権限が及ばず分権的だったこと、一方慶長5(1600)年の対上杉戦争などを契機として、徳川政権との交渉を背景としてこうした不安定性の排除に向かっていくこと、などを論じています。とりわけ家臣統制をめぐる、統一政権との関係のあり方が、豊臣氏と徳川氏で一変していることが注目されます。

田嶋氏は堀氏を中心とした研究を近年精力的に発表してこられており、その最新のものは上記新潟史学会大会時に会員に配布された『新潟史学』最新号に掲載された下記の論考です

田嶋悠佑「資料紹介 山川登美子記念館所蔵山川家家譜所収文書」(『新潟史学』77号、2018年10月

本論考は資料紹介と銘打っていますが、研究ノートとも言うべき興味深い論点を含むものです。山川家は元来堀秀治・堀直寄に仕え、また村上堀家断絶後小浜酒井家に再仕官して明治維新に至る家ですが、その伝える家譜に、越後時代の史料が多数引用されていることを紹介したものです。いわば二次史料ですが、他の確実な史料と比べても妥当なものが多く、利用価値は十分にあると思われます。また、山川氏は新潟大学図書館にその原本が伝わる堀主膳家とならんで堀直寄のもとで家老と言うべき存在であったにもかかわらず、家譜ではそうした行政的な地位はうかがえず、専ら武功が強調されること、大名家として存続した他の堀一族が作成し幕府作成の家譜等で共有されたいわば堀家の「正史」とは異なる独自の資料を参照し作成されたと思われることなど、この家譜が持つ特徴が指摘されていることは、極めて注目されます。本論考が資料紹介を越えて研究ノートと言いうるものだと述べたのはそのためです。

ちなみに田嶋氏も注目された二代目堀監物の実名の問題に『上越市史』の史料解説で触れたのは私ですが、そのときには既に中沢肇氏らが論じていたことに視野が及んでいませんでした。自分の至らなさを恥じる次第です。

田嶋氏は『新潟史学』において近年もう一つの資料紹介をしています。

田嶋悠佑「資料紹介 北方文化博物館所蔵長尾右門文書」(『新潟史学』75号、2017年11月)

これは北方文化博物館所蔵の五十嵐文庫中に所収される長尾右門文書の紹介です。長尾右門家は村上藩内藤家の家臣家ですが、近世初頭に上杉景勝・最上義光・堀直寄に仕えたことがあると伝えています。田嶋氏は、その原文書および周辺文書から、いわゆる家伝の事実をある程度修正する必要もあることも指摘しています。

田嶋氏はこれ以外にも越後堀氏を中心に複数の論考を発表しています。本サイトでも機会があればまた取りあげたいと思います。

第5回全国史料ネット研究交流集会について

直前の案内となってしまいましたが、1/17土・18日の二日間、新潟大学図書館ライブラリーホーにおいて、標記の催しが開催されます。東北から九州まで、災害で被災した歴史資料等のレスキュー活動などに携わってきた方々が、全国から活動事例を持ち寄って多彩な報告がなされます。貴重機会ですので、部分参加でも構いませんので、是非ご参加ください。詳しいタイムスケジュールは 下記に載せられています。

http://siryo-net.jp/event/20181117-18-koryusyukai5-niigata/

なお、懇親会は申込制となっております。これも得がたい貴重な機会ですので、是非ともご参加ください。申込は下記からお願い いたします。

https://kokucheese.com/event/index/538729

当催しのチラシのpdfファィルは、下記画像をクリックするとダウンロードできますので、まわりの皆様にご宣伝いただけますと助かります。